
残り時間もほとんどなくなった。内部の詳しい調査はできなかったが仕方がない。坂道をかけ下りてタクシーに戻ることにした。運転士O氏は狭い山道の中で必死にタクシーを転回させていた。
doodoongoo 「ハアハア すみません! お待たせしました! ハアハア トンカラリンありました! ハアハア 写真もなんとか撮れました! ありがとうございました!」
O氏 「お~そうなの、あったの。そりゃよかったねえ」
doodoongoo 「あれ、お爺さんは?」
O氏 「あれ? ここにはいないよ・・・。」
えーっ!!なんということだ。お爺さんが行方不明になってしまったのである。まさか、この山中で遭難? それだけは勘弁してほしい。
上り坂を再びダッシュする。 ところどころで山中にむかって大声で叫んでみる。
「お、じ、い、さ-ん!! トンカラリン見つかりましたよお!! 写真も撮れましたよお!! 帰りましょうー!!」
返事がないのである。 まさか本当に遭難? あああ・・・。 これは困った。 本当に困った・・・。
でも、おお! 何回目かの呼びかけに、とうとうお爺さんからの返事が聞こえたのである。 お爺さんもトンカラリンを探してくれていたのである。当方とはどこかで行き違ったらしい。
お爺さん 「トンカラリン、あったよ。ここに。」
doodoongoo 「ハアハア お爺さん、ハアハア あああ、ありがとうございます。 ハアハア ボクも見つけられました。 写真も撮れました。 さ、帰りましょう。 ハアハア」
ということで、一行は山を下り、タクシーに乗り、お爺さんを麓で降ろし、東広島の駅に舞い戻ったのである。運転士O氏の次のお客さんとの約束もどうやら間に合いそうだ。車中、当方とO氏は今日の出来事を反芻し、大いに盛り上がった。
なお、上の写真はトンカラリン付近に仕掛けられたワナにはまった鹿である。近付くと興奮して暴れるので、この距離からの撮影となった。ところで、東広島駅に帰る途中、運転士O氏の興味は、トンカラリンよりもこの鹿のほうにあったかもしれない・・・。(完)
読者様へ: 今年一年、当ブログにご訪問賜り、誠にありがとうございました。2009年もよろしくお願いいたします。 よいお年を。 doodoongoo
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- 2008/12/29(月) 14:14:41|
- トンカラリン
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やっとのことで入口から脱出した。大分時間が過ぎてしまったようだ。出口も確認しなければならない。ところが、この出口の狭さにはビックリ。 なんじゃこりゃあ! 落ち葉と穴の大きさを比べてほしい。これじゃ頭は通っても胴体はムリだよ。
トンカラリンの語源は、この穴から石を投げ込んだ時の音、「トンカラリン」によるものらしい。九州熊本にもあるそうな。熊本のそれは、長大隧道となっているらしく、初心者の私は、まず、ここ東広島からといたしました。
石はもちろん投げ入れてません。 時間も残り2分少々となりました。タクシーまでダッシュで戻ることにしました。
ところが、次の問題が発生したのでした・・・。
- 2008/12/26(金) 12:19:23|
- トンカラリン
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四つん這いになって入り込んでみる。長さは18mなので、出口の光が見えた。 内部の石組は見事で、とても7世紀の作品とは思えない。 しかし、しかしなのである。 もうこれ以上、先に進めないのである。 穴が小さすぎるのだ。 穴の中で四つん這いの当方がガッチンコと嵌まってしまった。 前進もバックもできない。 う~ん、これは困った! こうなれば、後ずさりして脱出しようとするのが人情である。 残り時間、5分ジャスト。
- 2008/12/22(月) 13:46:05|
- トンカラリン
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看板の回りをキョロキョロ見渡すと、あーっ! あったあった! でもなにこれ? えれー小さい。看板に書いてあったように、幅60cm、高さ75cmである。 これは当ブログでの最小サイズだ。穴の長さは18m。その先は、地表に向かって垂直に延びている。 この穴はなんと7世紀頃造られたらしいのだ。
さっそく、穴の中に潜り込もうとしたが・・・。 残り時間6分30秒。
- 2008/12/19(金) 13:25:50|
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ありました! 石垣の中にトンカラリンの看板を見つけました。おお・・・重要文化財であったか・・・。かなり汚れた看板。しかも付近は落ち葉が積もり、雑草が生い茂っている。最近は誰もこの地を訪れてないように思われた。
で、トンカラリンはどこだ? 残り時間、7分45秒。
- 2008/12/18(木) 12:47:27|
- トンカラリン
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ほんとにこの近くにあるのだろうか。お爺様に確認したが、間違いないとのことである。
でも、見つからないのである。
そうこうしているうちに、運転士O氏に、次のお客さんの予約が入っていることが判明する。 ここに滞在できる時間は残り15分となってしまった。
ひょっとしたら、この道のさらにずっと先にあるのかもしれない。 お爺様とO氏をその場に待たせ、当方が急坂をダッシュする。 すると・・・
なんやら、上の写真のように怪しげな石垣があるではあ~りませんか! 残り時間、9分30秒。
- 2008/12/17(水) 12:50:45|
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もうだめだ。これ以上タクシーで進むことはできない。
お爺様、運転士O氏、当方の3人が山中を行軍。それが上の写真である。
それにしても、タクシーを捨ててまで目的地への案内を試みる運転士O氏。プロの鏡である。
ここで一つの重大な事実を書かざるを得まい。 それは、お爺様は子どもの時以来、トンカラリンに行ってないということである!
お爺様の記憶を頼りにヌタヌタの道を進む。
お爺様はこのヌタヌタの右側にトンカラリンがあるというのである。
「確か、このあたりだ・・・。」 お爺様が指をさす。
その先の藪を、当方が突っ込む。
でも、トンカラリンは見当たらない。
ああ、トンカラリンは見つからないのだろうか・・・。 ここまで、みんなに迷惑かけているのに・・・。
まったくもって、どーなっちゃうの!! 乞次号
- 2008/12/14(日) 20:20:41|
- トンカラリン
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お爺様は的確に道案内してくださる。
お爺様 「そこを左、そこを右・・・」
道はどんどん狭くなってくる。 山中に分け入り、とうとう普通車一台ギリギリ幅となる。
しかし、運転士O氏はプロであった。見事なハンドルさばきでタクシーを自由自在に動かしている。
でも! お爺様の次のお言葉に我々は愕然となるのである。
お爺様 「あーん、そこを左だな」
その左に進む道とは、落ち葉に埋もれ、もはや道としての形状をなしていない。
それでも運転士O氏は、果敢に突っ込んでいく。プロである。
道の左右から小枝が張り出てくる。だんだんその数が増えていく。小枝がタクシーの側面をこすっている。 路床はヌタヌタ状態。ドロが跳ね上がり、タクシーの下回りにバチバチと当たる音がする。タイヤが空回りを始める。
運転士O氏がつぶやく。
運転士O氏 「ここはタクシーで来るところじゃないよ・・・」
doodoongoo 「あ~ん、まさにそのとおり! どうも申し訳ございません。すべて私のせいでございます。私の事前の調査がずさんでした。 あ~まさかこんな道になるなんて夢にも思ってませんでした。でもね、タクシー協会に先日問い合わせたんですよ、そうしたら近くまでタクシーで行けるって聞いたもんで・・・」
などと、見苦しく言い訳しているうちに、とうとうタクシーは先に進めなくなってしまった。 ああ・・・。 それが、上の写真です。 ホントは写真なんて撮れる状況ではなかったけれど、隠れて1枚、パシャリ。
予想外の展開はまだまだ続きます。 乞次号。
- 2008/12/11(木) 09:44:11|
- トンカラリン
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「今まで一番小さかった隧道はどこですか」、と当ブログの読者様から質問をいただいたことがある。う~ん、どこだろ? 分からない。 それなら無理やり作ってしまえ、という訳でわざわざ東広島までいったのであ~る。目的地は、トンカラリン。
なお、今回は掲載する写真が少ない。なぜならば、写真をバシバシ撮るような精神状態ではなかったからである。追々説明しますが、文章の多いことをお許しください。
東広島の駅からタクシーでトンカラリンへ行こうと試みる。しかし、タクシーの運転士さんは、誰もトンカラリンなんて知らないのである。
トンカラリン、トンカラリン、と連呼する当方を外国人と誤解して、英語で話しかけてくる始末であった。
幸いにもトンカラリン付近の地図を持っていたので、乗車が許された。しかし詳しい場所はわからない。現地付近で地元民に聞き込み調査を行うことにした。
駅からおよそ15分くらいタクシーを走らせ、いよいよトンカラリンに近付いてきた。すると! 庭に佇むお爺様がいらっしゃるではあ~りませんか!
doodoongoo 「すみませ~ん、この辺にトンカラリンって、あるんですけど、知りませんか?」
お爺様 「あ~ん、ナニ? トンカラリン? 知らないねえ・・・」
現地の人も知らないトンカラリン。暗雲が立ち込める。
タクシーをしばし走らせると、今度は散歩中のお爺様がいらっしゃるではあ~りませんか! さっきと同じ質問をしたところ、
お爺様 「あ~ん、ナニ? トンカラリン? 知ってるよ・・・ 案内してあげるよ・・・」
おお!! なんという救世主! お爺様は自らタクシーに同乗し、道案内してあげるというのである。
でも!! 泣きそうになる問題に直面したのだった。 (乞次号)
- 2008/12/08(月) 13:11:34|
- トンカラリン
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内部はきれ~に削られていた。

反対側坑口。
次号は、お約束の写真を掲載します! “ちょっとだけ”ご期待ください。
- 2008/12/03(水) 14:08:24|
- 房総半島の隧道
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