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隧道道

隧道をはじめ、趣のあるものをお知らせします。

コラボレーション第2弾!戸谷隧道(6)

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もう決めた! 行くといったら行くのだ! 覚悟を決めた私は、まきき氏と横一列に並び、戸谷の深い闇に埋もれていったのである。

冷静になって眺めてみると、胸キュンポイントもあるではないか。 素掘りとコンクリートのコラボである。

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さらに進むと、やっぱりいた。 コウモリのコロニーが天井に連なっているではないか! アフーン・・・。

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もう勘弁してくださいお代官様ぁ! 鈴なりのコウモリコロニーからの見事なフライトである。

それもハンパじゃない数だ! ムキョキョキョキョ・・・スパシャパ・・・シューッッ!

コウモリの激しい自己主張だ。 アヒョーン! もうダメ! やっぱりおうちに帰ります!

だが・・・ん?

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コウモリは当たらないのである。 つまり、こういうことである。

コウモリが顔面めがけて音速で近づいてくる。 ひいい! 思わず両手で顔面をガードする。 しかしコウモリは数センチ手前で見事にUターンするのである。

うほほーい!! 勇気百倍。 コウモリは当たらない。 これなら完抜けできそうだ。 でも安心は禁物。 初心者マークのコウモリは見事に顔面に激突してくれます・・・。

なお、上の写真は戸谷隧道の中心部付近である。 ううぅ・・・クセエ!! そうなのである。 路面の真ん中に見えるのはコウモリの糞である。 アンモニアくせーっ! 眼と、鼻と、喉がやられた! うぅーっ ゲホゲホ。

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  1. 2009/09/29(火) 20:47:08|
  2. 戸谷隧道
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コラボレーション第2弾!戸谷隧道(5)

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あたたかく、大きな手のひらが、「おうちに帰る」と泣きじゃくる私の肩に置かれた。 まきき氏である。

まきき氏が言う。 「行けるとこまで行きましょう。」

確かにそうなのである。 石川県のこんな山奥まで付き合わせ、挙句の果てにサイフ騒動まで巻き起こし、迷惑千万のこの私が、ここで引き返す訳にはいかないのである。

意を決し、再度坑口に仁王立ちである。 でも、我々の決意を知ってか知らずか、無数のコウモリは大宴会の真っ只中であった。

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まきき氏とともに一歩一歩、ゆっくりと隧道内を進行する。 (上の写真はbyまきき氏。) 数十メートル進むと、コウモリが特定の地点に集中しているのが分かった。 うぅ・・・もう無理! ムリなものはムリ! もうこれ以上、一歩もすすめませーん! でも・・・

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核心部分に到達してしまった。

天井を見上げると、コウモリの上にコウモリが、そのまた上にコウモリが、さらにその上にコウモリが・・・。 鈴なりである。

ひいい!! 狂喜乱舞するコウモリのド迫力。 ここまで来てはみたものの、ここは退散である。 誰が何と言おうとも退散である。 無理です無理です無理でござんす、あああもう駄目! たいさんだよ退散だよ、タイサーン!! ハアハア。

だが・・・。 坑口まで舞い戻った我々の心拍数が回復するころ、まきき氏の口からとんでもない一言を聞いたのである。

「やっぱり徒歩で完抜けしましょう。」

真っ直ぐ大きく見開かれた両眼。 眉間に刻まれたシワ。 引き締まった口元。 うぅ、これは本気だ。この男は本気だ・・・。 その迫力に飲み込まれ、私も思わずこう言ってしまったのである。

「行きますか!」

ええーっ!! 自分でも信じられないこの展開。 まったくもって、どーなっちゃうの!?

乞次号。

  1. 2009/09/26(土) 00:03:24|
  2. 戸谷隧道
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コラボレーション第2弾!戸谷隧道(4)

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あらためて、戸谷隧道を眺めてみる。 煉瓦造りの坑口。 車の進入を規制するものであろう、鉄製逆U字。 いずれもネット上で指をくわえて見ていたものである。 おお! 今、まさに眼の前に戸谷隧道があるのだ。 私は、右腕を坑口に向かってゆっくりと差し出し、こぶしをギュッと握りしめた。 戸谷隧道は我々の掌中にあるのだ。 うふふふふ・・・。

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さて、折角戸谷隧道に来たのだ。 ネット上を賑わす戸谷隧道の他のレポとは一風違ったことをやってみたい。 まきき氏と相談した。 その結果、戸谷隧道探索の骨子が決定された。

「戸谷隧道内部を、徒歩で、ゆっくりと、味わいながら、完抜けする。」

ヨッシャーっ!!  戸谷隧道を隅から隅まで味わい尽くそう! 我々二人は、期待に胸弾ませ、戸谷隧道内部を見つめたのであった。 二人の両頬が、みるみるうちに紅に染まるのであった・・・。

だが・・・紅に染まった我々の両頬は、数十秒後には群青色に染まるのである。

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誰か居る! 遥か彼方遠くの出口に人影を見たのだ。 耳をすましてみる。 チェーンソーのような音が聞こえる。 林業関係者が伐採でもしているのだろうか。 は~・・・戸谷は我々二人の貸し切りだと思ったのに・・・はぁ・・・ガックシ。

ん? いや違う! 人ではない! 伐採作業もしていない! 風だ! 出口の先は強い風が吹き荒れているようだ。 木々が強風によって大きくざわめいている音が聞こえる。

んんーっ!! 違う、違うよまききさん! コ、コ、コ、コ、コ、コウモリだよ! 大量のコウモリが隧道内を乱れ飛んでるよ! ハンパじゃない数だよ! ホ、ホ、ホ、ホェオェゲロビシャーン!!

そうなのである。 出口が見えなくなるほどの大量のコウモリが隧道内を飛び回り、その羽音や空気を切り裂く超音波が、あたかもチェーンソーのような、森が強風によって大きく揺れているような、そんな錯覚を我々に生じさせていたのであった。

私は、数歩足を進めてみた。  (上の写真は、by まきき氏)

ム、ム、ムリ。 

「戸谷隧道内部を、徒歩で、ゆっくりと、味わいながら、完抜けする。」 なんて、無理。

おうちに帰らせていただきます・・・。 乞次号・・・。


  1. 2009/09/19(土) 10:15:27|
  2. 戸谷隧道
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コラボレーション第2弾!戸谷隧道(3)

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はうあ! まきき氏の叫びでテリオス●●●号が急停車である。

ヘビではなかった。 サイフだ。 キラキラ光るサイフだ。 おれのサイフだ! おれのサイフだよ!! サイフだサイフだおれのサイフだよおぉぉぉぉ!! ハアハア。

まきき氏が見つけてくれたのだ。 俺のサイフを。 旅費も免許証も健康保険証もポイントカードも戻って来た! まきき氏どうもありがとう!! 感激のあまり、鼻血を四方八方にまき散らしたことは言うまでもない・・・。

上の写真は、サイフ発見現場である。 戸谷の入り口で一旦テリオス●●●号を降車したときに落としたらしい。 

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さて、あらためて戸谷隧道に向かって出発である。 上の写真は険道化した43号線の入り口といってもいいだろう。 看板に色々と書いてあるが(トンネルは狭いよっ)、通行止ではないらしい。

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険道の途中に橋が架かっている。 古城橋というらしい。 まきき氏は何をしているのだろうか。 爪でも研いでんの? (“ここ”をクリック!)。

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険道はなだらかな上り坂である。 どうやら戸谷は近いみたいだ。 夢にまで見た戸谷が近付いている。 ああ・・・とうとう来たのだ来れたのだ。 武者震いする自分に気付く。 なお、所々で路床に大きな穴があいているので注意が必要である。

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そしてとうとうその雄姿を現した戸谷隧道。 高さ1.7m、幅0.8mの信じられない規制標識も健在であった。 あ~、とうとうここまで来た。 来れた・・・。 感激で胸一杯なのである。

ここでまきき氏が何かに気付く。 坑口の左斜め上を見てほしい。 何やら黒ずんでいる。 ま、まさか、坑口の上に旧坑口が!? 

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よじ登って撮影する。 (“ここ”をクリック!) 裂け目は確認できたが・・・。 さらに接近だ!

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あんまり接近してないけど・・・。 ただの裂け目でした。 あーははは。

さて、次号ではいよいよ戸谷隧道内部に進入である。 次号をご期待あれ!

なお、まきき氏のトンネルコレクションでも戸谷隧道ONAIR中です!! “ここ”をクリック!!

  1. 2009/09/15(火) 23:05:17|
  2. 戸谷隧道
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コラボレーション第2弾!戸谷隧道(2)

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「サイフがない」 この厳然たる事実とどう向き合えばいいのか。 ルンルン気分の旅が台無しなのである。

ひょっとしたら、小松インター付近のGSで落としたのであろうか・・・。 まきき氏が電話で確認してくれた。

GSからの返事は、「はあ~ん?サイフ? ないよナイヨここにはないよ、ありません」。

テリオス●●●号の天井に乗っかっているかもしれない。 まきき氏が確認してくれた。 あったのはトリのウンコだけである。 (上の写真を参照) 

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いつ、サイフを落としたのであろうか。 記憶の糸を必死にたどる。 でも、何も思いだせないのである。

そうだ! さっきと同じことを繰り返せば何か思い出すかもしれない。 数十分前に行った記念撮影と同じカッコをやってみる(上の写真を参照)。 何も思いだせない。  全然ダメじゃん! 

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上の写真は赤瀬ダムのトイレである。 トイレからまきき氏の叫びが聞こえる。 えっ!!サイフあったの!? 違った。 マムシみたいな蛇がトグロを巻いているらしい。 な~んだ、オレのサイフじゃないのか・・・。 ドヨ~ん。

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赤瀬ダムから戸谷方面へ視線を向ける。 写真右側に見えるのはダムの管理事務所である。

おお! 管理事務所で何か分かるかもしれない。 飛び込むワタシ。

doodoongoo 「 あの~すみません、ここらへんでサイフを落としたかもしれませんが、届いてないでしょうか・・・」

ダム管理人 「はあ~ん?サイフ? ないよナイヨここにはないよ、ありません」。

やっぱり、ダミだった・・・。

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戸谷入口あたりに架かる橋。 ここもくまなく探しました。 ないよナイヨここにもないよ! ドヨ~ん、ドヨ~ん。

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もう仕方がないのである。 サイフはないけど、ここまで来たからには戸谷隧道のご尊顔を拝すべきである。 戸谷隧道の、入り口戻った我々は、もうサイフを忘れて無理やり笑顔を作り出し、さあ、いざ、いざ、いざ進まん戸谷隧道へ!!

そのときであった。 まきき氏の叫び声を聞いたのは。 はあ~ん。 またヘビでもいたの・・・。

でも今回の叫びは違った。 二人で歓喜の雄叫びをあげる、数秒前の出来事である。 乞次号。

なお、今回の戸谷隧道(2)はまきき氏のトンコレと同じ写真を使っています。 二人の感情の違いを是非、ご覧ください。 “ここ”をクリック!


  1. 2009/09/14(月) 13:45:41|
  2. 戸谷隧道
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コラボレーション第2弾!戸谷隧道(1)

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戸谷隧道。 この名をご存知の方も多いであろう。 北陸最狭とか北陸最凶とか北陸最狂とか、様々なニックネームが付けられている。 当ブログにおいても、ここは是が非でも探訪したい隧道の一つであった。

場所は、こちら。(→ “こちら”をクリックしてください)

だが、この隧道を訪れるのには、幾つかの困難を伴う。 まず、隧道の正確な場所が今一つよく分からない。 地図をみると戸谷隧道への道のりは点線化している。 果たして辿りつけるのであろうか。 次に、隧道に行くには結構荒れた道を通らざるを得ないこと。 ネット上で色々調べてみると、当方の愛車マーチコレット号では心もとない。 さらに、神奈川県民の当方にとって、石川県小松市は、やっぱり遠いのです・・・。
ということで、戸谷隧道の存在は知っていたものの、行くすべがなく、他の方々のレポを指をくわえて見ていたのでした・・・。

しかし、神は我を見捨てなかった。 救世主の登場である。 まきき氏である。 まきき氏とは今年の春に初めてのコラボを行い、ミステリアスな隧道を探索し、お互いに頬をポッと赤く染めた仲である(詳しくは房総半島81~89をご覧ください)。

コラボ第1弾に味をしめた我々は相談の結果、次の探索地として富山県のある隧道にターゲットを絞ったのである。 富山の隣は石川県。そこで私はまきき氏に、「富山に行く前に戸谷隧道に連れてって!!」とお願いしたのである。 まきき氏にとって戸谷隧道探索は2回目となるが、快くOKしていただいた。

なお、まきき氏の第一回戸谷隧道探索の模様は、まきき氏のお兄様が運営する、「山の隠れ里」 (←クリックすると飛べます)にレポがあります。オモシロイので是非ご覧ください。

さて、行動計画を練り上げた私たちは、まきき氏の愛車テリオス●●●号に同乗して、石川県小松市に向かって高速道路をひた走ったのであった。 北陸自動車道小松インターで高速道路を降りる。 さすがまきき氏、2回目ということもあってスイスイと戸谷に向かって一直線である。 長年夢見た戸谷隧道に行ける! 行けるのだ! 天にも昇る気持ちや!! まきき氏どうもありがとう。

だが・・・だが・・・ああ・・・隧道まであとほんのちょっとというところで、とんでもない悲劇に襲われたのである。


サイフがないんです・・・。


考えて見て欲しい。 ルンルン気分で何時間。 やっとここまで辿りつき、あと残すはわずかだけ。 ジーパンの、ポケットしまったオサイフは、どこ探しても見当たらず、うぅ、ワンワン! これはきっと夢だ夢だ夢なのだ。あはははそーであってもらいたい!

なお、小松インターから降りてGSで給油したとき、サイフは確かにジーパンのポケットに収まっていたのだ。 サイフの中には旅費、クレジットカード、免許証、健康保険証、近くの薬局のポイントカード、近くの総菜屋のポイントカード・・・おぉい! これなくしたらシャレにならないよおならないよお!! ハアハア。 戸谷隧道まであと数百メートルの地点で、引き返すことになりました。 まきき氏どうもごめんなさい・・・。 なお上の写真は戸谷隧道近くの赤瀬ダムである。 乞次号。

なお、まきき氏のトンネルコレクションでも戸谷隧道ONAIR中です!! “ここ”をクリック!!

  1. 2009/09/07(月) 14:43:48|
  2. 戸谷隧道
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柳ヶ瀬隧道(6)

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柳ヶ瀬隧道入口の信号機は黄色である、の図。

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柳ヶ瀬隧道入口の信号機は青色である、の図。 青信号はたったの15秒しか灯らない。

(完)

  1. 2009/09/02(水) 18:23:50|
  2. 柳ヶ瀬隧道
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